米の種まき準備@埼玉県鴻巣市(味噌作り関連)【お手伝いレポート】
- HARUNA
- 5月3日
- 読了時間: 6分
こんにちは、PETIT FARMERS(プチファーマーズ)のHARUNAです。
米の種まき準備@埼玉県鴻巣市(味噌作り関連)・ガバレ農場さん
に参加してきました。
ガバレ農場さんの有機栽培米を、毎年の味噌作りの麹に使わせていただいてます。
米の種まきは人手が必要で、毎年親戚の方々総出で行っている作業です。
昨年は、種まきに参加させていただきましたが、今年は種まき準備、育苗版への土詰めのお手伝いに伺いました。
(以前の米の種まきのお手伝いレポートはコチラ)
こんな感じで機械を使って、土詰めをしてきます。
1時間で200枚ほど。優秀な機械です。
詰める土を準備する人が1人、
土を運ぶ人が2人、
土を機械に入れる人が1人、
育苗板に詰められた土をならす人が1人、
育苗板を運ぶ人が2人、
全体統括1人、、、
合計8人での作業でした。
育苗板を1列25枚で積んで、明日の種まき隊へのバトンを渡します。
お米の種は、昨年のお米です。種もみと言います。
種もみをお湯で殺菌したあとに、水に数日間つけます。
積算温度(毎日の水の温度の合計値)が100度になると胚芽が鳩胸のようになり、発芽しやすくなります。
発芽には酸素が必要で、水をそのままにしておくと酸素不足になってしまうので、2日ごとに新しい水に替えます。
水温が15度の場合、7日間で100度になるので、種まきから逆算して水に浸ける日を設定しますが、ここ数日、気温の低い日が続いたこともあり、種まき当日の朝ギリギリのタイミングまで水につけることもあるそうです。

品種によって早めに発芽するもの、1日余計にかかるものがあるので、一つ一つ種もみの状態を確認するそうです。
適切な状態になっていないと、種まきをしてから発芽がばらついてしまい、その後の生育にも影響が出てしまいます。田植えの前の一番大切な作業です。
種もみは、洗濯機の脱水機能を使って、脱水します。
えーーーーー!そうなの!!!笑
脱水しないと、うまく機械が使えないのだそうです。

今年は8品種。
品種ごとに、田植えをしてから、収穫までの日数が異なり(早稲(わせ)・中稲(なかて)・晩稲(おくて)と言います)、これをうまく組み合わせてあります。
刈り取りのタイミングが少しずつズレるので、農家さんが刈り取りに対応できます。
出穂(しゅっせい)のタイミングもズレるので、リスクヘッジにもなります。
出穂のタイミングで暑い日があたってしまうと、中が白くなってしまい、クズ米になってしまうため、近年では特に、ある程度の品種を組み合わせることが重要になるそうです。
また、ガバレ農場さんは毎年新しい品種にチャレンジされています。
・やわ恋餅:夕方までやわらかい餅米 ←これは発明品ですね✨
・はたはったん:自然栽培に向く、肥料なしでいける ←自然栽培に向く品種があるとは!
・虹のきらめき:埼玉県推奨品種。暑さに強い、収量多い ←県が品種改良の施設を持っていることは重要だなと思った
・姫ごのみ:ミルキークイーン系のアミロースの含有量が少ない品種 ←お弁当に良さそう!
などなど。
やはり埼玉は暑いので、ササニシキ系の品種(コシヒカリなど)を作るのは厳しいのだそうです。
地域によってお米の品種が違うのも、初めて知りました。
そして鴻巣市にある「愛の町」という住所の地区で、「恋の予感」という品種を作る予定だったとのことで、一同盛り上がったのですが、諸事情により今年はできなくなってしまったとのことです。
これはいつか実現すると嬉しいですね~~✨
以前教えていただきましたが、米作りでは「苗半作」と言って、良い苗を作ることができるかどうかで米作りの半分は成功したようなもの、という表現があるのだそうです。
さて今年の米作りはどうなるでしょうか。
学んだ米作りの難しさメモ
【リスク①:アライグマなどの野生動物】※ガバレ農場さんが発行している「かけだし情報」1456号より抜粋
苗代で稲苗の育苗をするときに、ここ数年は電気柵をして稲苗を守るようにしています。近隣の農家も同様に電気柵をしたり、ネットを張ったりしている苗代が増えていきました。これはアライグマなどから守るための処置です。
~中略~.
ひと昔前であれば、スズメが食べに来ることが最大の懸念でしたが、 今は、スズメよりもアライグマとなってしまったのです。 ~中略~.
野菜を育てる場合にしても、稲を育てるにしても野生動物の被害は昔に比べるとはるかに増加しています。
【リスク②:暑さ】
近年、夏が暑すぎて、温度管理が大変。
ここ数年の暑さだと、水温が簡単に40度を超えてしまいますが、お米も人間と同じで、暑くなりすぎると体力を消耗をするので、実がつかなくなります。
そのため、水の温度があがらないように、冷たい水を入れるなど、細かく水温を調整します。
水を入れすぎると、逆に冷たくなりすぎてしまうこともあるので、温度管理がとても難しいそうです。
【リスク③カメムシ】※ガバレ農場さんが発行している「かけだし情報」1456号より抜粋
昨年、鴻巣や加須、羽生などの米どころで多発したカメムシは、今年もかなりの数が発生すると予想されています。県の行った調査でも、越冬していたカメムシは、昨年の同時期よりも大幅に増えているそうです。
カメムシにもいろいろな種類があり、ナスやピーマンなどに発生するものや、果樹に集まってくるものなど、作物全般に影響を与えています。その中でも稲に被害をもたらすのはイネカメムシと呼ばれる種類で、稲が登熟するタイミングで田んぼに集まり、籾の中を吸ってしまうため、粒に黒い斑点ができた
り、稲穂全体が影響をうけて穂が充実しない不稔という現象を起こします。遠目では稲穂が実っているように見えますが、田んぼに入ると稲穂が頭を垂れている様子はなく、直立したままの状態であることがわかります。稲刈りをしても、コンバインの中には籾が溜まらず、裁断した位jな藁を一緒にスカスカの籾が田んぼに落ちていくことになってしまいます。
埼玉県などは注意報を出して適切なタイミングで防除することを徹底するよゆに農家に呼び掛けています。JAなども地域でまとまって防除(農薬の散布)をしないと効果がないとしています。
では、農薬を使わない有機農業ではどう対応すべきか、というのが大きな課題で、有機でお米を育てている農家同士で情報交換をしたりしていますが、これならという方法が無いのが現状です。雑誌、現在農業でもカメムシ対策が取り上げられていますが、農薬散布のような防除体系ができてはいないので、個々の農家の対応に任せるしかないのかもしれません。
対策の一部として、稲が穂を出す時期に一週間おきに消石灰を散布するというもの、木酢液を使う、焼き肉のタレの香辛料が聞くので、薄めて散布するという事例があります。また、幸ではありませんが、カメムシを集めるための極早生の稲を作り、そこで一網打尽にして、他の田んぼへの拡散を防ぐという方法も試されているようです。
このイネカメムシは、昔に大発生して大きな被害を与えた時期があったようですが、、いつの間にか姿をけしてしまったそうです。それが何がきっかけかわかりませんが、数年前から大発生が始まりました。生態系の中でひとつn種がずっと大発生を続けることはないようですが、生態系そのものが壊れてしまっては、その理屈も通らなくなるかもしれません。
色々ありますね・・・
日々お米を食べられていること、農家さんの日々の対応に、感謝です。
次は6月上旬の田植えのお手伝いに行ってきます!
以上、米の種まき準備@埼玉県鴻巣市(味噌作り関連)・ガバレ農場さんのお手伝いレポートでした。
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